山寺 法華閣
その昔 私が小学生だった頃

小高い山の上に「法華閣」という寺があった。

境内には六角堂やいろんな建物がある大きな山寺だったように思う。

大阪府池田市 奈良県生駒市 大和郡山市 兵庫県西宮市 など転居して

再び生家(もう無いが)の近くに居を構えた私。

あれから数十年。

今日「法華閣」に行ってみたら

大きな山寺だった「法華閣」が跡形も無くなって

うぐいす台4丁目という住宅地になっていた。

僅かに「法華閣」という石標示と黒っぽい小屋が

うぐいす台3丁目に残されているのみだった。


そして今日

その「法華閣」とそばを流れる谷川が

小説家、遠藤周作さん中学生時代のお気に入りの遊び場だったことを知った。

遠藤周作「仁川の村のこと」より

<少年の頃、ぼくはこの径の一角にある法華閣という寺が大好きだった。寺は山の中にあってその山には谿川がだれも訪うものもなくかすかな音をたてているのである。今だから白状するが、その頃、ぼくはこの谿川に一人で毎日、しのびこんだものだった。夏草と名もしれぬ草花のおいしげる山と山との間に聞こえるのは川のせせらぎだけである。川の中に素足をひたすと、それは氷のように冷たい。そして小さな魚が岩や石の間を素早く走るのである。>

クリスチャン遠藤周作と法華閣
http://nishinomiya.areablog.jp/blog/1000061501/p10761167c.html