緊急の二案件、朝幕でも二派分断 大獄から門外の変200413
緊急の二案件、朝幕でも二派分断 大獄から門外の変200413。

こう記載して、
「直弼の読み違い」と言うことになるや。吉田常吉著『井伊直弼』(吉川弘文館 人物叢書)。



将軍継嗣&条約調印。どちらも急を要した「幕府事情」。
しかも将軍家定、薨去。そもそも「血筋で描く南紀派」対 「資質・英明を優先(という理屈の)水戸派」。
どちらも幕閣強化、難局対処の中核を人選する局面。

将軍継嗣&条約調印。どちらも勅裁を要した当時のシステム。
天皇直近にも分断、分派の動き。そこに手を突っ込んだ形の、水戸派の動き。
勅諭が水戸家に出される異常事態。事態をいっそう複雑に。

朝廷は大老の上洛をうながすも、直弼は江戸にとどまり幕閣の秩序確立を優先。
代役で派遣された老中の論は、朝廷を心服させるまでには至らなかった。

直弼は、若き日に国学を学ぶ。
尊皇を中心にしながらも、ここは幕権確立を優先させなければいけなかった立場。
情報収集と公卿周辺を結んだ長野義家の判断にも<思い違い>が生じていたらしい(374p)。

将軍に一橋慶喜を推した幕府重職&幕吏の厳重処罰。つまり「安政の大獄」(356p)。
すぐにそのアゲインストは生じた「桜田門外の変」(386p)。