ここまでかな。
複雑さとレベルを考えたら、2本を一日でつなぐというのは無謀で摂理に反したことだったのではないか。あんなつくり方をして、出来が良くても、何の価値があるというのか。つまらない職人のような仕事の仕方を受け入れてしまった。たぶんそのことが引っかかってしまったのだ。六本木から蒲田へと戻るタクシーの中で急速に冷めていった。1時間余り考えつづけた。その結論が、職人仕事。この企画は、プラン書いた瞬間に終わっていたのだ。そう思う他にない。予算のきつさから2本同時仕上げなどという狂気のさたを受け入れてしまった俺自身のいい加減さが、この吐き捨てたくなるような気持を引き寄せたのだと思う。自業自得。マヌケな話だ。俺はもう、ほんとうに刀を捨てるべきなのかも。なにも願わずなにも求めず、なんていいながら、な。