心の涯を知るよしもがな
1時過ぎに携帯にメール。コトバを失った。
昨日の午後3時に彼と話した記録有り。
そのときは、急展開した今日の古河撮影を祝いあい
いよいよ始まるな、と笑いあった。
そして明日の朝、東京駅北口のロケバスで会おうと話した。

かなりよくないと聞いてはいた。
でも、その日がこんなに早く来るとは。
彼も、想像していなかった
いやすまいとしていたのだと思う。

かけるコトバも送るコトバなく
時間が半日すぎた。

10年前の夏。彼の尽力もあり実現した
HD900テスト撮影の【月光】を
月シリーズの第三夜としてつなぐ。
音楽を菊池雅志さんの「紫苑」から【月光】を借り、あてる。
最後に今日の日付と
古い短歌を二首、はじめと終わりに添えた。
「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」
「ともすれば月澄む空に憧れる心の涯を知るよしもがな」
H.Sに献上、と記した。

子のいない彼にとって、今日の痛切が耐えられるのか
それだけが気にかかる。