万物は冬に雪崩れてゆくがよい追憶にのみいまはいるのだ第二十七夜は「散」
「みえぬまでまどろむことのかたければ我もはかなき夢をだにみず」
和泉式部
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福島泰樹
「万物は冬に雪崩れてゆくがよい追憶にのみいまはいるのだ」
畏友、辻へ。この散華のような落葉を撮った直後に君が倒れたことを知らされた。君の書斎に福島さんの歌集と、福島さんの歌をタイトルにした数冊のアルバムを見つけた午後、窓の外に音を立てて落ち葉が散っていた。あれから2年。たのしくやっているだろうか。