「ここではないどこかへ」と希求する魂
繰り返し聴いてるうちになんだかニーノ・ロータの世界が無性に聴きたくなって、手持ちのCDをひっくり返し、さっきまで連続再生。ヘッドフォンで音楽を聴きながらテレビをONにしCSからBSまで数十局を取っ換え引っ換え3時間連続ザッピング。唯一レガシーのCMだけが深く印象に残った。アイルランドあたりの涯のようにも見える道をツーリングするシーンにニーノ・ロータの世界がよく似合っていた。モーターサイクルの2つある原点のひとつ「ここではないどこかへ」と希求する魂。スバルはもしかしたら「レガシー」を、クルマづくりを断念しようとしているのだろうか。唐突にそんな思いも浮かぶ。時代も政治も社会もいっさいを無視したとしか思えない、ただひたすら走ること、移動しつづけることへの切ないまでの憧憬。あの続きをつくってみたい。CMを見て、ずいぶんひさしぶりに感動している自分に気づいた。あのレガシーから17年も経ったのだ。胸が痛んだ。深夜モードは底なしにさせられる。