ecobrothers?
“ecobrothers+にゃん!”たとえばネコ。わがはいはエコ?である。ネコはいつでもどこ
でもゆだんもスキもない超快適ライフ続行中。たとえばエコブラザーズ。17歳すずき
なみの同級生。なぜか剣道部の万年補欠。名前はタケシ。あだ名はコムサシ(ずんぐり
むっくりしている)。弟は中学2年生。14歳。名は信(しん)。しんちゃんとふつーに呼
ばれてる。兄より背が高い(隔世遺伝?)クラブはバスケ。レギュラー。本人は必殺ロン
グシュートの鉄人と称しているが兄は認めていない。3ヶ月前からニキビに悩んでいる。
兄は最近「おいキビ」と呼んでは無視されている。とにかく汗くさいecobrothersなの
である。なにしろママ手づくり自慢のナチュラルコットン製特大エコバッグに毎日あ
ふれんばかりの汗だらけの洗濯物を入れて帰ってくる大汗brothersでもある。ママは
「まいにちまいにちなんでこんなに汗かけるんだか」とぼやきながらも元気ですくす
く育ってくれた兄弟の面倒を見るのが大好きだったりはする。ママの趣味はクッキー
作り。ベラボーにうまくしゃれたクッキーをつくるのだが、何しろ育ち盛り
のecobrothersがいるのである。なまじっかしゃれたクッキーなどではとても太刀打ち
できず、しかなく泣く泣くごん太麺のような増量200%お得ですっ!的な奇っ怪な形状を
したとんでもなくバカでっかいクッキーをつくってはイヌの餌のようにして愛すべき
息子たちに与えるのであった。大汗brothersは味わうという風情は一切見せず、近所
のバカイヌのようにバフバフとあっと言うまもなく食べ終わり、まだないの?と切ない
顔を見せるのである。当然のことのように彼女の不満はたまっていく。で、ときどき
近所のお友だちをお呼びしちゃう。ecobrothersの山のような洗濯物を片づけ家中にこ
もった2人の汗の匂いを窓全開で追い払い、腕によりをかけ、息子たちにはけっして出
すことのない、出してもあっというまに食べられてしまう、かわいいおしゃれな夢の
ようにおいしい(はずの)ザ・クッキーを焼くのである。そして本格的な凝りに凝った
ティータイムを演出し、ご近所さんたちと、まことにゆーがな午後の至福のひととき
を過ごすのである。夢見るような時間が過ぎると、我に返ったママは、またいつも
のecobrothersとの戦場へとスイッチ。質も大事だが何より量こそ命の息子たちの胃袋
を満たすべくキッチンの戦士へとチェンジしちやうのである…なんでこれがエコライフ
家族の話なのか?とうぜんのように湧き上がる疑問もあろーが、いるんだなぁ、これが。
いわゆる“できちゃった婚”みたいなecofamily。ほら、あなたのお隣にも…よく見たら
屋根に瓦みたいなソーラーパネル、のっかっていたりして、ね。
こんなたなかさんちのエコな日々を、我関せずと見守っているのがネコの「たま」。
凡庸な名前を付けてしまったのは弟のしんちゃん。だってバスケじゃん、ぼくってと
言いながら押し切った、らしい。で、たまである。たまはいつも我関せずと、家の中
でいちばん気持ちのいい場所を探し出しては、そこからこのおかしなecofamilyを眺め
ている…らしい。