その「火鍋」
うっとうしい気分が晴れず、渡辺をクリエに呼び出し1時間ほどぐちを聴かせた。そのあと2時間近く、読みかけの小説を読んでコーヒーを3杯おかわり。陽が傾いてきたので家に戻り、パソコンを立ち上げたら長岡からメール。文面はただの2行。

   「きのこそば
    かねまんバージョン」

とだけ。添付されていたのは二枚の写真。一枚は画面いっぱいの湯気の見えるような「きのこそば」俯瞰ショット。もう一枚は、店の入り口。大きな雪粒が降りしきっている。たぶん2005年末の師走「豪雪ロケ」のときのもの。スポンサーが金を出さないと言い続けていたが、見切りで出発した日の写真のはず。こういうこともあったのだと、眺めているうちに気が晴れた。長岡の「火鍋」なのだ。

   ♪夢の四馬路か ホンキュの街か
    ああ 波の音にも 血が騒ぐ

人生は、おもしろい。こんな切所越えもあったのだ。と。