白昼夢
休んでいた間、14日、15日と2日続けて夕暮れ前に白昼夢を見た。ひとつは辻。もうひとつは撮影部のメンバー。いずれも腹の底からこみあげるような笑いに満ちたカーニバルのような夢。生きていることが愉しくなる、そんな夢だった。夢を覚えていることは年に数回あるかどうか。若いときは、いつも悪事が露見し追いつめられ捕まるところで覚めた。ここ数年は女の夢だけが残っている。なまなましい自分の息遣いで覚めてしまうような夢だが、女は三年ほど同じ相手で、現実にはただ仕事をするだけの関係に過ぎない。親しい友と心から笑いあうような夢を見た記憶を持たない。二つの夢は、起きてからも幸福感が消えなかった。明けて今日16日夕、ひさしぶりに仕事で人と会う。現実の時間は哀しくなるほど何の情も想いも怒りも無く、ただ未消化な苛立ちだけが残った。来週は利根川を渡れる。今夜のところは、それだけが救い、だ。