腑に落ちたこと。
北方を読みながら浮かんでいたことでもあるが、すんなりとうまくいったこの間の仕上げにスッキリ感がないのはなぜなのか?わかった。おれはあの家に住まいたいとまったく思っていない…単にそういうこと。ナレーションに身が入らず、カタログの流用で終始したのも、たぶん同じこと。どこにも共感するものがない、という事実。あれは住まいではない。贅を凝らしながら、その贅がただ文字通りに物質だけに終始している気持ちの悪さ、恥ずかしさ。郊外の民芸調の店のようだ、と最初に見た瞬間に抱いた感想が、最後まで尾を引いた。そういうことだ。腹立ちはAの不在にではなく、おそらくは自分自身の時間に対して。なのだ。北方を読みながら、そういうことの貧しさが浮き彫りになっていった…バカらしいほどあっけなく、屑のような時間を過ごしたのだと、納得。