OCシーズン1のvol4-27★★★★★
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シーズン1の最終話“絆”を観ながら、脱帽。
エピソードの途中、中だるみが続き、身も蓋もないような逸脱に飽きかけたが、最後までほぼ一気に観てしまえたのは、たぶんこの27番目のエピソードが待っていたから。まさかセスが、冒頭に登場しただけのあのヨットで、タヒチを目ざすエピローグに持ち込むとは、想像しようもない。ラストの数分で、その展開がかすかに感じ始められたとき、まさかな、と頭ふりながら頬抓る気分だったが、ほんと、恐れ入った。まっしぐらの展開ぶりに、こぼれる涙を拭うひまもなく、ボウゼンと見入るしかなかった。アメリカは、しかし底が深い。そういう感想以外に、コトバが見当たらない。軽重と浮薄を練り合わせただけのはずの脳天気な町の常軌を逸した物語も、手だれのライターにかかれば、ここまでの陰影を醸し出す。役者もまた、我が国とは百年の隔たりあり。ニッポンは、しかし哀しい国だなと、今夜はしみじみため息が出た。寝起きに読んだ朝刊の「徳育」教育の復活とかいう記事もいくらかは影響しているのか? それにつけても、おもしろかった。第1シーズンのエンディングを観た後で、第2シーズンを観たいとは、まったく思わない…。そういうつくりも、また、スゴイ。
夜更けに空を見上げたら、冴え冴えとした月が出ていた。そういうもんだ。