春。地下スタジオ。おとめの涙。など
瀧本が顔を出し、別れの挨拶をしながら泣き出し、しばらく涙が止まらなくなったのを見ながら、鼻の奥が痛くなった。東京六本木のど真ん中で、ミッドタウンとヒルズに挟まれた魑魅魍魎の巣窟のような場所で、若い女が別れを惜しんで泣いてくれた。駆け足で新宿に行き、戻ってから気分が変わっていた。午後、調べておいた「きずな」と「つながる」というmovieのコンセプトを、今夜はそのまま活かしてみたいと思った。そういう時間が過ぎたことをとどめておきたいと思った。編集第2ステージ、2日目。混乱しながらも、光明が差してきた。夕べの不始末が尾を引いて、スタジオに入ってもカリカリしたままだった。ムリやり押さえ込んでつないでいたが、瀧本のおとめの涙で、氷解。相馬よ、瀧本に感謝すべし。