トーキョー・バビロン★★★★
馳 星周著/双葉社
時代の中途半端さがそのまま小説家をからめとってしまった典型としかいいようがない。スポーツ新聞のあぶくのような連載小説だなと思いながら読了。読み終わって週刊大衆連載だったと知り納得。600ページを越す厚さにもかかわらず主要な登場人物が分散されすぎ、いずれも舌足らずなままに推移。馳ワールドとしかいいようのなかったデビュー時を思うと、亜流の増殖が希薄さに輪をかけている。惜しい気もするが。