奄美には七夕までいたのだ。
焼きあがったたDVDをテレビで見た。OK出しどころか作品になっていた。深夜でもあり、たぶんハイになっていることを割り引いたにしても、じつに力の漲った凛々しいものとなっていた。あの濃密な奄美が、みたことのない極上の「ここではないどこか」となっていた。涙がこぼれた。美瑛から一気に南転して奄美に決めたあのイタ飯屋の夜はとうぶん忘れない時間となりそうだ。長岡と古川の二人に心から感謝したい。あのまま路上で別れずに苛立っていたおれに最後まで付き合ってくれた二人とのあのやりとりが無かったら、美瑛も奄美も消えていた。みの舞い上がるような達成感のカケラさえ存在し得なかったのだ。その二人が同期だというのが、なんだかおかしいが。6日の夜に倉持さんが遊びで撮った長岡の目の表情を見たとき、ああこいつはいい被写体になるなと思った。酒宴の後にも関わらず、冴え冴えとした涼しさをたたえていたから。