仕事くれ。★★
ダグラス・ケネディ著/新潮文庫

ネットで手に入れた残りの一冊。
これでD・ケネディの既刊分はすべてクリアしたことになるが。
記憶では、この“仕事くれ。”がそこそこの評判だったはずなのに、
いちばん出来が悪かった。
D・ケネディのラインからははずれるのだろうが
“報復と幸福”の捩れていながらもピュアな愛の物語が
出色だったように思う。読み終わって、数日船酔い気分から脱けられなかった。
次はデビュー作の“どんづまり”か。
映像化したらB級ホラーで終わるところだが、
行間に漂う不条理ぶりがしみじみ怖かった。
そして“ビッグピクチャー”あたりの順か。
翻訳の中川聖のせいか新潮文庫の編集担当のせいか
邦題の付け方が20年前くらいの古さで、損をしている。
わからせよう、売ろうとする余計なお世話が目立つ。