空を飛ぶ蜘蛛を見たことがありますか?
という帯に魅かれ宮本輝の《約束の地》を読みはじめた。
いま上巻を読み終わったところ。
予想した通り「飛行蜘蛛」のことだった。
何年前だったか、偶然見たテレビのニュースで
その映像を見た。
秋のきらめきの中を透明な何本もの糸が空に向かって
飛んでいた。それは蜘蛛の旅立ちで、とても貴重な映像だと報じていた。

物語ではこの飛行蜘蛛が重要なキーになっている。
まだ上巻だが明日からの奈良ロケに下巻を持っていくことにする。
宮本はつまらない小説家なのに、震災以後の透明感は悪くない。