《幻夜》★★
東野圭吾著/集英社刊

東野の弱点がストレートに出た「大作」。
帯には「名作・白夜行から4年半。あの衝撃が、今ここに蘇る」と。
「白夜行」が名作というのは、しかしえれえ強引なコピーである。
何を描いても踏み込みが甘く中途半端な東野らしい展開で
ページはぐいぐいめくれるのに肝腎の主人公の片割れ「謎の女」が浮いたまま。
こんなへんな女に賭けてしまった主人公の男はやっぱり「じみへん」。
阪神淡路大震災の直後の生活シーンの奇妙なリアリティだけが印象に残った。
ミステリーであろうとすることの、くだらなさ。
タイトルは「幻夜」ではなく「幻滅」だったら
いろいろな意味で腑に落ちたのでは。

体調を崩した週末に読んだので、読みもまたぼーっとしていたが…