昨日の記事、覚え
●朝日新聞
リニア、世界最高の時速581キロ記録 ギネス申請へ

 山梨県の山梨リニア実験線で2日、リニアモーターカーの有人走行試験があり、鉄道の世界最高速度となる時速581キロを記録した。JR東海は、ギネスブックへの登録を申請する予定だ。

 試験車両には、山梨リニア実験センターの白国紀行所長ら約10人が乗車。午後1時28分と同54分の2回、それぞれ5秒間にわたり最高速度を記録した。

 JR東海によると、動力となる電力量や実験区間の距離の関係から、580キロ程度が現在の上限とされる。今後は耐久性の検証やコストダウンのための技術開発の実験に取り組んでいくという。実用化のめどはたっていない。(12/02 20:24)



●中日新聞
有人世界最速581キロ
山梨のリニア実験線で記録

 JR東海と鉄道総合技術研究所は二日、リニアモーターカーの走行試験を山梨リニア実験線(山梨県都留市、大月市)で行い、有人走行で世界最速の時速五百八十一キロを記録した。

 午後一時半ごろ、指令室の速度計に「五百八十一キロ」と表示。室内に記録更新のアナウンスが流れると、緊張した面持ちでモニターを見つめていた所員から一斉に拍手がわき上がり、互いに握手を交わした。JR東海によると、今後は五百八十キロ以上の走行試験の予定はないという。


●山梨日日新聞
2003年12月03日(水)

山梨リニア実験線 有人で世界最速「581キロ」
一般区間建設なお不透明 県や沿線首長ら思い複雑
 山梨リニア実験線で行われた走行試験で、リニアモーターカーが世界最速(有人走行)となる時速五百八十一キロを記録した二日、JR東海や鉄道総合技術研究所員は「信頼性や耐久性の目標をクリアすることができた」と、達成感に浸った。実験開始から六年半余りで、現有設備の限界とされる五百八十キロ台を樹立し、県や沿線市町村からも一定の評価が聞かれたが、実用化に向けてはコスト削減が大きなハードルとなる上、着工がさらに先送りされた実験線一般区間(二四・四キロ)の行方は依然不透明なままで関係者は複雑な表情。「技術力とともに、実用化に向けたハード整備ができなければ、リニア構想を推進する“両輪”が整ったとは言い難い」と、地元からは早期一般区間着工など、課題解決を求める声があらためて上がった。

 この日の実験は午後零時半ごろ開始、午後一時半ごろに五百八十一キロを達成した。乗車した同センターの白國紀行所長は「予想した通りの走りが体験できた。安定性、安全性は新幹線と比較してもそん色ない」とリニアの完成度の高さを強調。「これまでの実験で、リニアの信頼性や耐久性については目標をほぼクリアしたと思う。今後はコスト削減に向けた技術研究が課題だ」と話した。

 JR東海などによると、同実験線では距離や電力設備などから、五百八十キロ前後が限界の速度という。

 五百八十一キロ達成について山本栄彦知事は「山梨から世界に向けて世界記録達成を発信したことを誇りに思う。今後も最大課題であるコスト削減に向けた技術開発をはじめ、実用化に向けてこれまで以上の取り組みを期待している」とのコメントを出した。

 一方、未着工の一般区間をめぐっては、国が一九九九年に「五年以内(二○○四年)の着工を目指す」との方針を示し、県が合意。しかし国土交通省は今年、○四年度中の着工先送りを決定。来年度から五−六年かけてコスト削減に向けた技術開発に取り組むなどとし、建設実現はさらに“後退”した。具体的な着工時期は依然明らかになっていず、沿線市町村には国などに対する不満がくすぶっている。

 沿線市町村のうち東八代郡八代町の古屋貞次町長は「最高速度の達成で技術力を伸ばしているのは良いことだが、地元は何よりも一般区間の一日も早い実現を望んでいる。一般区間建設と実用化に向けた努力をさらにしてほしい」と注文した。

 また同郡境川村では、用地提供した地権者も多く、実用化の具体的時期や一般区間建設のめどが立たない状況に「リニア実験そのものに疑問を持たざるを得ない」との声も漏れ、住民らは複雑な表情を見せる。

 同村では一般区間建設に伴う残土置き場を利用した村営住宅整備など活性化を当て込んでいただけに「リニア計画が地元に与える影響は大きい。技術力向上もいいが、(用地提供など)住民の協力が無駄になるのは納得できない。計画通りハード整備も進めてもらわなければ困る」(五十六歳農業男性)と指摘する人も。

 技術開発が節目を迎えた一方で、リニアが抱える課題を実感した沿線住民は多く、国や事業主体、行政に対して、早期解決や現実的な対応を求める関係者の声もあらためて浮き彫りになった。


●読売新聞
山梨リニアが581km/h、また世界最高更新


世界最速を更新する時速581キロを記録したリニアモーターカー(山梨リニア実験線で)


 JR東海と鉄道総合技術研究所が山梨リニア実験線(山梨県都留市―大月市、18・4キロ)で行っているリニアモーターカーの有人試験走行で2日、鉄道の世界最高速度となる581キロを記録した。

 都留市の実験線車両基地を出発した3両編成便が、職員を乗せた有人走行で実験線を3往復する途中の午後1時28分と同54分に世界最速を記録した。

 同実験線のリニアは、1999年4月に当時の世界最速だった時速552キロ(有人走行)を記録。今年11月からは、車両の耐久性などを検証するための最高速度更新試験に取りかかり、19日に時速579キロ(無人走行)を記録していた。

 最高速度での試験はひとまず終了し、今後は空力特性の改善やコスト削減などに向けた研究を進める。
�(2003/12/2/21:40 読売新聞