命の別名をひさしぶりに
8時。一足先にホテルに送ってもらう。
東京から井上さんと坂本さんが打ち合わせに来るので。
スタッフは真っ暗な中、懐中電灯を炭坑夫のように灯し明日のためにカメラセッティング。
シャワーを浴び髪を洗った。

ひさしぶりに中島みゆきをパソコンの音で聞いている。

「命の別名」。

もう少ししたら二人がつく。
話をして泊まっていけるのか
それとも明日のためにとんぼ返りなのか。

リニアの夜は深く濃い。
窓を開けて空を見上げると降るような星である。

午後4時近く、目の前でギネスを塗り替える瞬間に立ち会った。
560km/h超。

12月2日にかけ、さらに580km/hを目指す第一歩。

おれは進んでいるのか
とどまっているのか
後退し続けているのか?

携帯からこぼれた井上の声が明るかったのが
せめてもの救いか。
あるいは、彼の自棄?