三陸沖地震
■三陸沖地震

青森、岩手両県の太平洋岸、三陸沖に発生する地震。沿岸から約200キロメートル沖の日本海溝沿いに発生するので、陸上での震度はV以下と弱いが、地震後約30分から1時間で、北海道から東北、関東地方沿岸を襲う大津波が発生している。過去のおもな大地震は以下のとおりである。

●三陸沖のおもな巨大地震

(1)発生年月日 1793年(寛政5)2月17日
 規模(M) 8.2
 断層型 逆断層?
 死者(人) 12か13

(2)発生年月日 1896年(明治29)6月15日
 規模(M) 8.5*
 断層型 逆断層
 死者(人) 21959

(3)発生年月日 1933年(昭和8)3月3日
 規模(M) 8.1
 断層型 正断層
 死者(人) 3008

(注:*については6.8説も有力。規模のMはマグニチュード。『理科年表』(1986)等による)
 三陸地方のリアス式海岸ではとくに波高が高くなり、上記の(2)の地震での最高波高は30メートルを超えた。(1)と(2)では余震が多く、(3)では少なかった。(1)による死者数は少なかったが、(2)、(3)ではともに甚大な死者を出した。この地震では三陸沿岸は相次いで津波に襲われるので、防潮堤を築いたり、集落を高地に移動させたり、対策を講じている。津波は太平洋を横切って、約6時間後に遠くハワイまで達し、さらに北アメリカ沿岸、チリ沿岸などにまで達している。
〈宇佐美龍夫〉
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