不徳である。まくるべき尻もなし。
手直し、いま終わった。2時間寝たらスタジオへ。

昨日の午後は、耳を疑う一言に
即応しながら情けなくなった。

情けなくなりながら、どうして尻をまくりきらずにいるのか不思議だった。

おれはもしかしたら
媚びているのだろうか。

媚びていることになるのだろうか。


このままつきあっていて
気がついたらお座敷犬のようになつていくのではないか。
ほんもののぽちになる?!


そういうことにどこかで気づけていないのだろうか。


おれの反応は、あれはなんだったのか。
それがわからない。

六本木の地下に降りて
スタッフの顔を見たとたんに溶けてしまったはずの気分が、
今までかかって手直しが終わったところで
またぶり返す。

夜更けに宮川女史から届いたメールにこう書かれていた。恥を忍んで引用しておく。

「益子さんが思う、よりベターなことを今日のシナリオとともに伺えるのかと思っていたのですが、
今日の台本は今までいろんな人が言ってきたことを忠実に台本にしたものだと思いました。
しかし、益子さん的に、今日上がったシナリオが益子さんの本意でしょうか?
私が一番気になっているのは、実際益子さんが演出をどうしていきたいのか
ということが聞きたいのです」


あっちもこっちも四面楚歌。
もういいのかな、とも思う。
本意か?
と問われて、どう答えりゃいいのだ。



ひたすら不徳のいたすところである。
すまんが、くそして寝るしかなかろーが。