手前味噌ながら、温故知新である
今井さんのつくったCD版「女鬼」を聴いた。語りは、加藤精三さん。巨人の星の一徹の声。そういえば月曜には一徹の息子の星飛馬の声の古谷徹さんと仕事だ。
聴き終わり、ウエブからDJ宣言のPDFをダウンロード。
読み直してみる。2001年12月17日の日付。
デジタルハイビジョンHD-900を舘岩村の満月で初テストした年の暮れ。
コンビニで渡辺がコピーし、布テープで製本して何人かにメッセージとともに配った。
デジタルジャパネスクシリーズのその後は
遅々として…の感が強いが
それでも昨夏には八ケ岳の滝の水、
この春には犬吠の海をHD-900に収めることができている。
ことし中には本腰を入れたいと撮影部の長岡たちに話した直後、
菱沼さんからウエブで今井さんのページを見つけ
女鬼のCDを注文した、と聞かされた。

つまり東風が吹いた。
そういうことなのだと思うことにする。

あらためてここに一年半前に配った手紙を
転記しておく。



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益子です。
かねてから画していた
《デジタル・ジャパネスク》シリーズを離陸させたいと考えています。
まだ茫漠とした想いがあるだけで、どんなスタイルでどんなカタチを結ぶのか
海も山も見えない状態ではありますが、歩みだすことに決めました。
現時点ではっきりしていることは、すべての撮影をデジタルHD-F900 品質、
あるいはそれ以上の品質を備えた機材で行うこと。
向こう十年、あるいはそれ以上の歳月を劣化も低減もなく、
われわれが望んだ状態のままで維持・保存・再構築に耐えられる
最良の映像素材を遺すこと。
それらの素材を縦横に再構成し、まだ誰も見たことのない
日本の抒情的世界をつくりだすこと、です。
私は日本という国がすでに滅んでいるのだと考えます。
この国のシステムは少なくとも滅びの崖っぷちを踏み越えたのだと感じています。
国破れて山河あり、と言いますが、
立ち止まったときに、ここまで戻ればもう一度、
歩みだす力が湧いてくる場所。イメージ。
絶望ではなく希望を杖に頭をもたげてみようと、思い直せる世界。
そういうものを映像として構築したいと思い描いています。
これまでともに仕事してきて、ぜひ力をお借りしたい、
いっしょに取り組んでいきたいと確信する方にのみ
この手紙と、一冊の絵本のコピーをお送りすることにします。
《デジタル・ジャパネスク》シリーズを進めるにあたり、
迷ったりとどまりたくなったときに、同封の絵本の世界を
思い起こしていただけたらと考えました。
《女鬼》とタイトルされた絵本を、かかわるすべてのスタッフの
ただひとつの旗印にしたいと思います。
賛同いただけたら、
どうぞ呼びかけの声が聞こえたときにお応えください。
賛同いただけないときは、この手紙と絵本はお捨てください。
そのことはこれまでの仕事で築いた関係になんの影響もありません。
2001 年12 月17 日夕記す
              ●補
《デジタル・ジャパネスク》シリーズが越えるべき作品テイスト
     1 光の日本/ 日本コロムビア
     2. 風のササヤンカ村/ 日本コロムビア
当面の関連情報掲載ホームページ
    http://www.DIGITAL-JAPANESQUE.COM
    http://eclat.gaiax.com/home/torum