萬月の《ブルース》再読。★★★
文庫。92年の刊行時に読んでいるから十年ぶりの再読。
感想は、当時と同じ。尻切れトンボ。

ただ、その後の爆発の萌芽が、いくつも鏤められていることがよくわかった。

花村の小説は、主人公に違和が残り、
周囲の人間や世界そのものが
いつも魅力に富んでいるように思える。
そんなところも、
大宰を彷彿とさせるのか。

文庫の解説を北方謙三が書いていた。
作家の解説はつまらない楽屋落ちが多く
たいていは興ざめさせられるが、読ませた。
北方が乗り切っていることが、伝わってくる。