十年の消息。
集団プレイのおもしろさ…
そういう感覚を持つことが少なかった。
ジ・アースに惹かれた理由はそんなところにもあったのか。
EXPO'05のチームと久しぶりに顔を合わせ、
そんなことを思った。
どこに向かって球を打っても必ず返ってくる…
気が抜けない。
テンションを自然に維持し続けられることの愉悦。
そういう気分から遠すぎる場所にいるのだと、しみじみ思う。
一日、休息をとったら、あの連中をにやりとさせるために
もう一山、力を入れてみたい。


それにしてもNHK。
岡田の解説はねえだろう。
4年に一度の祝祭が、二流の技術論パレードですっかり興ざめである。
声質。間。気配。すべて最悪。


フランス完敗の大番狂わせで始まって
もうひとつ興の乗らないお祭りが
いくらかは賑わしくなるのかと思ったが
岡田の通夜の客のような解説で消えた。
NHKは、ほんとうに鈍くさい。


夕方からは、ひたすらぼーっとしていた。
昨夜は久しぶりにオフィスで眠った。
三時間と決め、すっと起きた。
十分後にはキーを叩いていた。

あんな芸当が、まだできるのだ。


横江から、賢明さんの消息を知らされる。

十年。
小石川。
春の盛り。
1000mビル構想/ある、慕情。

十年という歳月が信じられない。
組んだ時間よりも離れた時間が
いつか長くなっていた。

六本木の地下で編集中に横江のメールを読んだ。
それから横江に電話を入れるまでに三日経過。
熱は、そこまで醒めていたのだ。
電話を切って、三日間という時間を意識したとき、
ああもう終わっていたのだ、という思いに満たされた。

喪失感も焦熱もなく、
醒めた、ため息がひとつ、
築地の街灯の下にこぼれた。


失踪する少し前に《髪結いの亭主》を見てきた彼が゜、「おまえによく似ている」と笑った。

このあいだ、十年ぶりに見直して
こんなおかしな野郎とどこが似ているのかと、
鼻で笑い、気がついたらモニタの前で踊っていた。

高校時代にハイミナールをかじりながら
新宿の螺旋階段で踊るとよく効くことを
教えてくれたことなども思い出しながら。


そんな時間の先に、十年の消息があった。


この間、福島さんに会ったのも十年ぶり。
菊池さん、石塚さん、永畑さんたちともまた十年。


都庁のHDをSONYPCLで仕上げた午後、
「ほんとうにこれで良かったのですか」
と耳元で囁かれ、
ボロ切れのような気分と体を休めるためにとった近くのホテルで
賢明相手に涙が止まらなかったことがあった。
その問い掛けの主とは、やはり十年ぶりで仕事をしている。





心が沸き立たないことに少し苛立ちながら
三日が過ぎたのだ。


男子、三日会わざれば…ではある。


刮目すべきは、俺か、あいつか。


夏なのに秋のように涼しい夜になった。
くそして寝るしかねえだろう。俺も、男だ。