首都に開花宣言の夜、いわきで森のひとと再会す。
いわき市泉。彫刻家安藤さんの作品展会場前の車内にて。
空には鎌のよな三日月。
須賀川で六月二十四日の夜におとぎ話の宿に向かう途中で見上げた、あの細い鎌のような月をひさしぶりに観た。

安藤さんとはフィナーレの夜、9月の末に「森のひと」の灰をまいて以来。
作品展の案内を見たら、急に合いたくなった。元気そうだった。
樹の絵を1点と風の彫刻を1点、いたたくことにした。
風と、樹。

つながっていくことを、約し、別れた。

彼の長男の名は夏太郎。長女の名は沙羅というと、今夜、知った。


東京に開花宣言。
観測史上最速記録だとか。
おれもいよいよ、開花宣言、というところ。


泉は、水の惑星ジ・アースのラストシーン、暁闇の海を撮った勿来海岸にほど近い所だった。


いずれも、縁だな。


東京からの土産は考えた末に
塩大福三十個。


さて都に帰る。