呼べど応えぬ人はありたり
ぶらぶらと散歩。
駅ビルのvirginに行く。
ブラジル、レゲエ、古いもの、適当に10枚ばかり買って帰った。ほんとうは探したかった一枚があったのだが、「革命の歌を集めた静かで美しいアルバム」だけではレジの女の人に探してもらいようもなく、その人の細い美しい指の動きに見とれていた。10枚あったからたっぷりと眺められ、得をした気分になったが、顔が合って赤らめさせてしまったのはちょっとな。これでしばらくはあの店で買いにくくなった。
むかしよく行ったコーヒー店に寄って、数カ国語のホステスたちのおしゃべりを耳にしながらライナーノートを読んだ。

ネットで5日の福島ロケの候補地を探すか。
大印刷展の資料を読み始めるか、木の家にちなんだ話でも読むか、それともまた「近松心中」の世界にふけるか、眠気はあるが眠る気にもなれない。

待っている動きは一切なし。
あっちもこっちも、まるで黙殺されているようで奇妙だ。放り出せ、そういうことなのか。わからねえ。


  かなしみは葉月八月刀(たち)を振りばんらばらんと骨を鳴らすも

  呼べど応えぬ人はありたり夕風のさわさわとして咽喉(のみど)もえるを

      《晩秋挽歌》福島泰樹 より

福島さんに会いにいこうか。