「グリーン・デスティニー」を観るその前に。
窓を開け、秋のような風をふところに入れながら、ふと気になって「グリーン・デスティニー」の発売日をウエブでチェック。
出ていた。
6月22日、おれがむじなの森に向かったその日の発売だった。
慌ててサンダルを突っかけ、ヴァージンに走る。閉店のアナウンスを背にレジに放り出せた。
知らなかったはずだ。あれから二週間余り、まったくの異境で暮らしていたようなものだから。

「グリーン・デスティニー」は二つの意味でぜひ観ておきたかった。第一にぼくたちが水の惑星ジ・アースの音楽監督としていちばん最初に提案したのがタン・ドゥンだったこと。
第二に、ここ数年、金庸の武侠小説の凛とした明るさ、元気と勇気の源のような世界に強く魅かれていたこと。
封切りの時にサントラを手に入れはしたが、なぜか本編を観る気分になれないまま時間が過ぎていった。今年になってアカデミーをとって凱旋公開をしたときも、ぐずぐずして行きそこなっていた。

しかし観たいという欲望は消えなかった。
夏ごろにDVDで発売と知って心待ちにしていながら、むじな森事件で今様うらしまになった。

それがいま手元にある。
封を切りった。セットする前にメモを書いている。

さて何がおれを金縛りにしていたのか、
謎のいくらかは溶けるのだろうか?