ザ・ビーチ★★★
「ザ・ビーチ」特別編DVD版を観る。
月明かりにプランクトンが浮かび上がるシーンは実に秀逸。しかしそれ以外は、すべてがいまいちだった。
アレックス・ガーランドのすぐれたビジュアルパワーを持つ原作小説に大きく負けている。

テレビ朝日が深夜にときどき放映している「テンプテーションズ」というアメリカのビーチで展開する恋人達のドキュメンタリーバラエティの方がよほどリアリティがある。

DVD用の付録を読むともうひとつのエンディングを考えていたとある。インターネットカフェで能天気に終わるのはいかがだろうか。観光船に救出されるというラストの方が、いくらかはマシな喚起力を持ったのではないか。

どこかでコッポラの「地獄の黙示録」と相似しているのは、楽園の主催者サラの存在の陳腐なイメージのせいだろうか。