「テンタメント」は★★★★★
「テンタメント」ジョン・グリシャム箸/白石朗訳/新潮社を読む。

リーダビリティ勝負だったグリシャム大化けの一作。
リーダビリティのレベルを落とさずに、よくぞここまで、と思う。
救いのあるまことに得難い物語である。
アカデミー出版という悪質な不動産屋か強欲なサラ金のような
出版社が「超訳」と称して版権をとる一年前の作品だから、
大化け以降のグリシャムをわれわれはもう眼にすることがない。
資本主義の世の中とはいいながら、自由競争の世の中とはいいながら、
なんとも口惜しいことだ。
ま、名手白石朗の訳で、このジャンピングボードを味わうことができたことを喜ぶべきか。
それにしても、新潮社、アカデミーみたいなごろつきに版権とられるとは、あきれたものである。不明を恥よ。