完全な日の出ゲット
13日朝、撮影後に旅館から水の惑星MLに出したメール内容

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2000年12月13日午前6時40分いわき豊間海岸

水平線に雲なし。彼方に夜の漁を終わって港に帰る漁船の船影が数艘。
空と海の境がひときわ強い光をはらんだ。
その一瞬、撮影監督・鈴木さんの合図が短く発せられた。

8秒後、日の出。みるみるうちに生まれたばかりの太陽が
くっきりとその姿をあきらかにしていく。
昨日の強風が幸いしたのか、
度重なるロケハンと撮影延期の末にたどりついた、
スタッフの願いが伝わったのか、
水平線にかかる雲のまったくない、
まことにピュアな太陽の登場を撮影できた。

20世紀最後の冬の、福島の海から昇る、
どこも欠けることのない「完全な日の出」を
われわれは手にすることになった。

これは僕自身、はじめての体験でもある。
「完全な日の出」。書いてて、まだ笑いがとまらない。

この一瞬のためだけに息をひそめて待ち望んだ「完全な日の出」を
その直前から完ぺきに撮影できたこと、胸を張って伝えたい。

撮影監督・鈴木さんの神業のようなタイミングと、
その狙いをみごとに現実のものとしたスタッフたちに感謝したい。
一緒に一年の間、福島を駆け巡ってきた全スタッフの
その思いこそが、今朝の一瞬に結晶したのだと思う。

みんな、よかったね。
万歳!