帰路
ところで午後2時にカメラマンたちと別れ、東京に向かった演出班は、高速に乗る寸前に昼飯前だったことに気がつき、猪苗代町を
三周した末に夏のロケハンで入ったことのある「しおやぐら」というそば屋を発見、突入。「名物・皿そば」と「山芋のてんぷら」と
「さつまあげ」を注文。皿そばは、皿の上にざるそばが乗っているという工夫の意味がもうひとつわかりかねるものだったが、「山芋のてんぷら」は絶品だった。塩で食べたけど酒飲みは泣いて喜びそうな代物。満足してさて帰ろうかと立ったときに目に飛び込んできたのが平積みされた数点の書籍群。
その一冊のタイトルは「十字架 クロス」。著者の名は高見澤功。
小説である。気になって奥付を開くと、プロフィールにあの「高見澤」さんのことが。渡辺に聞いたらすでに本人から直接買ったとか。(買わされた?)さっそく一冊買い求め、店を出た。と、一台のクルマが通過。高見澤さんご本人である。携帯で呼び戻し、近くのコーヒー店に連れていってもらう。サインしてくれと頼んだが照れているのでケーキをおごってもらった。そんなわけで、ほんとうはもう東京に着いているはずなのに、我々はいまだ白河あたりを走行中。あたりはすでに真っ暗である。
福島はまことに奥が深いね。

なお、このメールは東北道を120kmで走行中にPHSで発信。