純正・日本の夏
二十三日。大暑の翌日ながら、ここ会津の山奥の伊南村は、猛烈な暑さだった。
ついに記憶の中に潜んでいた、正しい日本の夏の姿のひとつに遭遇できた。
俺自身は釣りは嫌いだが、きょう撮影した福島でいちばん遅い鮎の解禁の光景は、
真っ青な空、真っ白な雲、その青と白をうけとってとうとうときらめきながら流れる川。
その川のあちこちで待ちわびた夏をすくい上げようと無心で釣り糸をたらす釣り人たち。

スタートをかけてOKを出して、
その18秒足らずの移動ショットに
ぽかんと口を開けて感動していた。

まちがいなく
これは純正な日本の夏の光景の一典型だと
そう実感できた。

こいつを来年の七月七日から
20m×15mの巨大スクリーンにかけるのだ。

うれしかった。
そして暑かった。
さらに眠かった。