宝蔵寺byミルクボーイ
「うちのオカンがな、京都で欲しい御朱印があるねんけど名前が判らへん言うてんねん」

「ほな一緒に考えてあげるから、何か特徴言うてみ」

「それがな、伊藤若冲のお寺や言うてんねん」

「それやったら宝蔵寺ちゃうのん、宝蔵寺は伊藤若冲の菩提寺で若冲が建てた親族のお墓もあるねんで」

「そう思って聞いたんやけど、静かな所のお寺で交通の便も悪いて言うねん」

「ほな宝蔵寺ちゃうか、宝蔵寺は繁華街の新京極の近くにあるしな、京阪電車も地下鉄もバスも近いしな、他に何か言うてなかったか」

「オカンが言うには、娘さんが音楽家らしいねん」

「そら宝蔵寺やがな、娘さんが美人でクラリネット奏者やがな」

「そう思てんけどな、そこはお寺の人が厳しいらしいねん」

「ほしたら宝蔵寺ちがうか、宝蔵寺は御住職も奥さんもスタッフの人もみんな親切でええ人ばかりやしな、他に何か言うてなかったか」

「それがな、毎月7日、21日、24日が限定御朱印あるみたいやねん」

「やっぱり宝蔵寺やがな、宝蔵寺は7日は八臂辨財天、21日は弘法大師、24日は子安地蔵尊の御縁日で限定御朱印いただけるがな」

「おれもそう思てんけどな、そこは石段をいっぱい登らなあかんみたいやねん」

「ほな宝蔵寺ちがうか、宝蔵寺に石段あらへんからな、他に何か言うてなかったか」

「オカンが言うにはドクロの御朱印で有名らしいねん」

「そらもう宝蔵寺やがな、宝蔵寺って言うたらドクロの御朱印って言うくらい有名なんやから、宝蔵寺できまりやがな」

「おれもそう思って言うたんやけど、オカンが言うには阿弥陀如来が御本尊や言うねん」

「そやから宝蔵寺やがな、浄土宗西山深草派のお寺で阿弥陀如来が御本尊やがな、とにかく宝蔵寺行ってこい」