2018 03/27 04:13
Category : 日記
京都の東山にある八坂神社は祇園さんの名前で親しまれている有名な神社である。
その境内に、「忠盛燈篭」(ただもりとうろう)と呼ばれる古い石の燈篭がある。
この忠盛燈篭は、「平忠盛」(たいらのただもり)に所縁の燈篭で源平の時代から、この場所に置かれていたと言われる古い燈篭である。
平忠盛は、平正盛の子で、検非違使・左衛門大尉・備前守などを歴任した人物で、父と共に平氏の基盤を作った武将であり、また、やがて清盛の父となるのである。
さて、忠盛燈篭のお話である。
ある夜、白河法皇は忠盛を伴に連れて、祇園の女御と言われる女性に会いに出かける途中だった。
祇園の女御は白河法皇が見初めた女性で詳しい事は不明だが、当時、中宮を亡くしたばかりの法皇は気に入って宮中に召して、八坂神社の近くに御所を設けて住まわせていたそうである。
法皇と忠盛はやがて八坂神社の境内に着いた時には、日が暮れて周りは暗くなり、小雨まで降りだして来たのだった。
どうも、何か嫌な雰囲気がする
法皇がそう思ったときに、北の森の方に不気味な明かりが灯り、顔が赤くて身体が銀色の毛に被われたような妖しい物が姿を表した。
「忠盛!!なにやら妖しい物が来るぞ!」
法皇はそう叫ぶと太刀を抜いて身構えた。
しかし、そこは胆の据わった武士の忠盛である。
少しも騒がずに
「法皇様、ここは忠盛にお任せください!」
そう言うや、妖しい物に向かって進んでいった。
忠盛が妖しい物に近づくと、それは何と神社の社僧であった。
社僧は、折からの雨で蓑をかぶっており、燈篭に火を入れた所だったのだ。
燈篭の火によって顔が紅く染まって見え、雨で濡れた蓑が光って銀色の毛に見えたのだった。
忠盛は、それを確認すると
「法皇様、何でもございませんでした、御安心くださいませ。さて女御の所へ参りましょう」
そう言って、法皇の先に立って女御の元へと案内して行ったのだった。
法皇は、自分が怖れて見誤ったのに対して、忠盛が冷静に見極めた勇気に感服すると、以前にもまして忠盛への信頼を深めたのだった。
これは永久年間の5月の事だそうだが、その後も忠盛は瀬戸内の海賊を相手に武勇を示すなど活躍するのである。
燈篭は、そんな昔話を伝える由緒書きの後ろで静かに立ち、様々な歴史を見てきたのだろうか。
その境内に、「忠盛燈篭」(ただもりとうろう)と呼ばれる古い石の燈篭がある。
この忠盛燈篭は、「平忠盛」(たいらのただもり)に所縁の燈篭で源平の時代から、この場所に置かれていたと言われる古い燈篭である。
平忠盛は、平正盛の子で、検非違使・左衛門大尉・備前守などを歴任した人物で、父と共に平氏の基盤を作った武将であり、また、やがて清盛の父となるのである。
さて、忠盛燈篭のお話である。
ある夜、白河法皇は忠盛を伴に連れて、祇園の女御と言われる女性に会いに出かける途中だった。
祇園の女御は白河法皇が見初めた女性で詳しい事は不明だが、当時、中宮を亡くしたばかりの法皇は気に入って宮中に召して、八坂神社の近くに御所を設けて住まわせていたそうである。
法皇と忠盛はやがて八坂神社の境内に着いた時には、日が暮れて周りは暗くなり、小雨まで降りだして来たのだった。
どうも、何か嫌な雰囲気がする
法皇がそう思ったときに、北の森の方に不気味な明かりが灯り、顔が赤くて身体が銀色の毛に被われたような妖しい物が姿を表した。
「忠盛!!なにやら妖しい物が来るぞ!」
法皇はそう叫ぶと太刀を抜いて身構えた。
しかし、そこは胆の据わった武士の忠盛である。
少しも騒がずに
「法皇様、ここは忠盛にお任せください!」
そう言うや、妖しい物に向かって進んでいった。
忠盛が妖しい物に近づくと、それは何と神社の社僧であった。
社僧は、折からの雨で蓑をかぶっており、燈篭に火を入れた所だったのだ。
燈篭の火によって顔が紅く染まって見え、雨で濡れた蓑が光って銀色の毛に見えたのだった。
忠盛は、それを確認すると
「法皇様、何でもございませんでした、御安心くださいませ。さて女御の所へ参りましょう」
そう言って、法皇の先に立って女御の元へと案内して行ったのだった。
法皇は、自分が怖れて見誤ったのに対して、忠盛が冷静に見極めた勇気に感服すると、以前にもまして忠盛への信頼を深めたのだった。
これは永久年間の5月の事だそうだが、その後も忠盛は瀬戸内の海賊を相手に武勇を示すなど活躍するのである。
燈篭は、そんな昔話を伝える由緒書きの後ろで静かに立ち、様々な歴史を見てきたのだろうか。