浄住寺
私が先日行った「浄住寺」です。

阪急電車嵐山線の上桂駅から駅前の通りを西へまっすぐ進み、竹の寺や苔寺や鈴虫寺方面と分かれる十字路をそれらと逆方向へ少し行ったところにあります。

この「浄住寺」は昔は「常住寺」と称されていたそうで、面白い伝説が太平記に記されています。

お釈迦様が入滅された時に、「捷疾鬼」(しょうしつき)と言う鬼神がお釈迦様の歯を一本奪い去りましたが、それが韋駄天の手に渡り、さらに中国の律衆の祖である道宣律師へと渡った後に、日本に渡って嵯峨天皇の元へ行き着いて、ようやく石窟に鎮められて常住寺として嵯峨天皇の勅願寺となりました。

その後に、戦火による延焼などにより荒廃しましたが、鎌倉時代後期の1261年に公家の葉室氏により中興しましたが、その後に炎上し、江戸時代の徳川綱吉将軍の1687年に鐵牛禅師によって再興されて黄檗宗の寺となって現在に至ります。

捷疾鬼に奪われたお釈迦様の歯は、鐵牛禅師のお骨と一緒に境内奥の寿塔の中の石窟に納められて、その上に巨石で抑えられているそうです。


お寺の周辺は住宅地になっていますが、お寺の境内は広く多くの緑で被われており、静けさを感じるお寺で、秋には隠れた紅葉の名所となっています。

自然が多く緑に囲まれた静かなお寺で、お参りする人の心を癒してくれる雰囲気のあるお寺だと思います。