➂明子ひとり。秋桜
あの時、明子は秋風沁みる39才の頃、
静岡に引っ越しをし、昼夜夢中で仕事に励んで居た。

会社のパートが終われば友達の知人を介して、
クラブの女の子が辞めて人手が足りないから、
明子に半年だけでも来て欲しいと頼まれて驚く。


ああいう世界で働けば世間知らずの私も人を見抜く
力が出るのではと甘く考え、思い切って行ってみた。

余り派手な洋服は着用しなかったがマドラスのハイヒールを
履いて、ブラウス、スカートとOLと同じ格好で出勤した。

お店に入ると皆さんに挨拶したが、タバコは吸う、お酒は
沢山呑む、嘘はつく、利口でなければ勤まらない事を知る。

マスターの大学時代の友人が多く、会社社長が従業員を
連れて来たり、客層は良かったのではと思う。


弁護士の秋山さん曰く、踊ってくれますか?
明子はそんな簡単な事も出来ず恥ずかしさで遠慮した。


このドライフルーツをAさんのテーブルに運んで!
その位の事は出来ても、正直に言ってしまいマスターに
よく注意され、自分の愚かさを思い知る。


仕事は午前0時に終了になりマスターが車で送ってくれたが
マンションに帰るとどっと疲れが出た。


明子は馬鹿正直で嘘を平気で言う仕事は自分には
合って居ないと初めから分かっていた。


たった一つ好きな事は歌を唄う位だったと思う。
ウーロン茶の中にウイスキーを入れられても唄っていた。


ある日、お通しを出す時「冷凍食品に見えないですね。」
この一言でマスターはガッカリし、彼女は凄く叱られた。


明子はこういうお店には全く合わせられず、
3か月が過ぎた頃、自分から辞めさせて頂いた。


そして会社の仕事だけに専念し、夜の仕事は辛かったが、
どういう仕事か分かったような気がする。
マスターに迷惑ばかり掛けて心から謝罪した。


この3か月間、何度か泣いていた明子をみた友達に、
貴女は自分が馬鹿になる事が出来なかったと言われた。


その後,暗い感じの公務員風の中年男性に出会ったが、
男性は懲り懲りでお断りし、友達と楽しく会社勤務を
していた。秋桜が咲き乱れ、秋の風景に喜んで川沿いを歩いた。












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編集 さくら : 尻取りばかり書いて日記を書かないから下手になるばかり^^
編集 さくら : 私は照れ屋でダンスも踊れないの。作り話ね。
編集 yuma : 最後の公務員風男性が気になるわ。旦那さまになる人だろか?続きおねがいね
編集 yuma : 明子さんはすごい経験したのね。水商売って普通の女の子ではなかなか難しいと思う。狐と狸の化かし合い