2023 01/17 17:31
Category : 1月17日

捨てた故郷の屋敷跡に、今も残っているでしょうか。
ずっと我が家を見守っていた父の植えた桐の木。
お正月に産まれお正月に亡くなった父。
物静かで商人には合っていなかった。
父は健康で一度も風邪で寝込んだ事も無く、
年中無休で御店を開けていたと思う。
暇を見計らい庭に梅を干したり、植木の手入れしたり、
兎に角豆に動いていたが農業は好まなかった。
母の実家が地主で子供達に田畑を分けてあげたり、
五人の子供全員に祖父が家を建てゝくれた。
父だけが「農業しないから田畑は要らない。」
土地を貰わなかった。
高崎市街中の商家に産まれ育った父は母の家に
お婿さんに来たようなものだった。
私は母より父が大好きで何時も一緒に
御店の手伝いをしたが気の毒な立場を分かっていた。
私は一日も両親を忘れず必ず供養し祈願している。
晴れた日に父に似た真っ白い雲を見る度、
「おとうさん!」追い駆けるように笑顔で
話しかけている。「いつも守ってくれ有難う。」
感謝している。
どんな極貧生活を送っても父が選んだ人生、
父には父の生き方があった事を悟った。
鳥達が夕暮れ時に山へ帰るように、
鳥には鳥の生き方があるのね。
私には私の生き方があると思う。
笑われようが真実のある場所で生きてゆきたい。