2022年03月の記事


春キャベツ
春の雨は、しとしと静かで優しくて、
傘を差す手にぽつりと落ちる。

絹ごしの様な柔らかい雨。
流れる川にぽつぽつ落ちて川の水と
仲良く一緒に溶け込んでいく。

幸福を知らせると言う、黄色いタンポポの花に雨がぽつんと落ちると、白い綿毛が
ふわふわふわりと飛んで、何処に飛んで行くのかしら?

雑草の青葉をくっきりと濃緑に濡らしてくれる春の雨。咲き始めたデイゴの花に一輪、二輪、
静かに落ちて化粧水を付けてくれた様に瑞々しい。

灰色の空の下、春の雨は私の頬に優しく落ちてきた。その雨を手でそっとぬぐい、

思わず、微笑んでしまった私。コンクリ-トの下からも、力強く伸びてきた紫色の菫に
雨の雫がぽつんとはねて、弾けて道路へ飛んでいく。

春の雨の中を、あの人の家に会いに行こうかしら?
そんな気持ちにさせる春の雨。

春の雨は、時々お説教し、「早く帰って夕食の支度をしなさい!」と私に語り掛ける。

そうね、暖かい夕食の団欒は大切ね。早く帰ろう、春の雨の中を急ぎ足で、、、、、、。

夕食は脂っこい物よりお野菜の煮つけを好む。
小さ目のジャガイモ、ピーマン、人参、椎茸、ブロッコリー、鶏肉少々等を黒酢炒めにした物も美味しい


春キャベツ 包丁入れて 雫とぶ sakura1205、
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桃の節句




あれは私が29才の雛祭りの出来事だと思う。
何時ものように母へのお小遣いを送らなければと、
最寄りの郵便局へ行った。

速達で送ろうか普通に送ろうか迷った末、
何気なく速達で2万円を送った。

その翌日、母が亡くなるとは夢にも思わず、
亡くなる寸前に母の手に届いた。

幾ら仕事が忙しいとは言え、
有給を取り会いに行けば良かったと後悔するばかり。

数日前の電話では真坂、亡くなるとは想像も出来なかった。
私は知らぬ間に気の強い
優しさのない人間になっていた。

危篤の知らせを聞いて直ぐに会いに行ったが
母の変わり果てた姿を見て身体の力が抜け、
父も機嫌が悪かった。

私は何という親不幸な娘かと母にお詫びをし、
三人の叔母や近所の人達の話を聞きながら
母の身体を拭きお化粧をしていた。

こんな私の小遣いを喜んで胸にしまった話を聞く。
事あるごとにお小遣いを送っていた私を
叔母達は褒めてくれたが、自分に嫌悪感を感じていた。

葬式代やその他を自分の預金から
出せばいいというものではない。

昨年、両親名義の土地を母がお世話になった親戚の人に
あげて遺産放棄した。

貧乏生活が嫌で働いた昔、今は何の欲も無く、
普通に暮らせる事の幸せがよく分かったから。
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