初冬の雨
南の島にしとしと小雨が降り続く。
鉛色の空を見ながら急な坂道を下りる。

一週間も雨が降ったりやんだりして鬱陶しい。
今日の午後、思いも寄らぬ事が起きた。

東方面から雲白く、空が青く太陽が顔を出す。
友達に車で海を回って貰う。

海において選りすぐられた波は、
波消しブロックで砕ける時も光を抱いたままだが、

空色の肌が白く弾けるのは、
広いうねりのいとなみが

ひたむきな交わり合いだったから?
岸辺で佇む人は、
しぶきを浴びなくても濡れてしまう。

「もう帰ろうね。」二人で見つめた海はたった30分。
師走は何かと忙しい。

「貴女がいるから今は凄く楽しい!」
すると彼女は優しく微笑んでいた。

今夜も南の島の空は黙々と黒い雲が流れ、
明日も初冬の雨がふる予感がする。

編集 さくら : 大きな坂の向こうに車で30分足らずで海があります。静かな海は気持ちが良いです^^
編集 yuma : 海いいなぁ たまにはのんびり眺めてたいよね。いいお友達ね。