初雁 (はつかり)
10月8日は本格的な秋の始まる寒露。
日毎に気候の変化が楽しめて,過ごしやすい季節。

晴れた清々しい青空の朝、
私は友達に少し早めに別れの挨拶に行った。

その帰りに松林を通った時の波音の寂しさ、
ぶつかってくる埃っぽい風。

樹木の葉っぱに水晶のように露が光り、
純粋な幼子が泣いているときの涙に似ていた。

燕と入れ違いに北から雁が渡ってくるらしい。
雁は日本で冬を過ごし春にはシベリアに帰っていく。

毎年、初めて訪れる雁を「初雁」と呼んでいる。
森鴎外の「雁」という小説を思い出した。

「雁」は読みやすいが兎に角文章が長すぎて、
二十四話まで読むには相当な時間がかかる。

今年は台風が多くて沖縄行も遅れてしまい、
一人で旅立つ勇気が中々出てこない。

私は、台風24号の停電や片付けで気疲れし、
心細くて決心がつかない横着者である。

主人曰く、俺は後からゆっくり行くから
早く沖縄に行きなさいと急かせる。

あの人と一緒になって幸せな日が有っただろうか。
私も一人でも生きていけるようにならなければと思う。

裏庭から大好きな金木犀の香りが漂い、
何となく嬉しくて金木犀の花を手で撫でてあげた。

枝から落ちそうな柿の実もオレンジ色になり、
「強風に耐えたね」心の中で誉めてあげた。

台風の去った後の日本列島は蒸し暑く、
明日は31℃の予報で季節外れの暑さになる。

この暑さは一時的で来週は秋らしくなると思う。
今は台風25号や気圧の谷の関係で雨の夜になる。

編集 まこちゃん : 何のために一緒にいるの?っていいたくなりますね・・・お前が先に行け!後から俺はしかもゆっくり?夫婦なら一緒に行くべきと我輩はもいますがね・・・・