涼しい夏の日
昨日の暑さは影をひそめ、昼前からぽつぽつ小雨が降りだした。
室内では半袖で過ごしても海岸を通る時は風が冷たく感じた。

私は少しの間波の音を立ち止まって聞いていた。
なんにも考えないでひたすら聞いていた。

すると一羽のカモメが私の近くにやってきて
何かを探していた。

カモメよ、お前もひとりぼっちで誰かを探しているの?
傍に近寄れば恐がって其処をぱっと立ち去り逃げていく。

肌寒いので自転車を飛ばして我が家に直行した。

急激に涼しくなったのは太平洋高気圧の勢力が弱まり、
涼しさをもたらすオホーツク海高気圧が強くなったのが原因。

この寒さ、昨日の暑さを忘れてしまいそう。
そしてあの梅雨入りしていた時を思わせる。

室内は涼しいので身体が動きやすくなり、お掃除を念入りにして気持がいい。
血潮紅葉の枯れ落ちた枝から真っ赤な葉がもう出てきた。

その紅葉の葉が頭上で風に揺れカサカサ音をたて、雨の雫がポツリと落ちた。
上を向いた私の眼に落ちると同時にすーっと流れて顔を濡らす。

真夏にこれほど涼しい日がくるとは思いもしなかった。
熱帯夜を忘れて久しぶりにぐっすり眠れそう。