五木の子守歌
おどま盆ぎり盆ぎり 盆から先ゃおらんと 盆が早よくりゃ早よもどる。
おどま親なし 七つん年で 人の守り子で 苦労する。
おどまいやいや 泣く子の守りにゃ 泣くと言われて 憎まれる。
つらいもんばい 他人の飯は 煮えちゃおれども のどこさぐ。

大昔の五木の子守歌は、赤ん坊を眠らせる歌ではなく、子守奉公している
娘達の嘆きの歌だった。私は、お盆が来ればこんな歌を口ずさみ、

13才の時、初めて子守のバイトをした事を思い出す。
小柄な私の身体に、1才近い赤ちゃんはとても重く、重労働だった。

そんな私を見た優しい叔母さんは、「重いでしょう、下ろしましょうね!」
時々、休ませてくれ、楽しいお話をして貰った。

この叔母さんのお宅に行くのが楽しみだった。
納豆だけの食事が、此れほど美味しい物かと思うほど美味しかった。

お盆と言えば、明日から長女が泊まりに来ると聞き、気が小さいのか、
今からどきどきして焦ってしまう。

夕暮れに蝉の鳴き声が少なく、もう、トンボが飛んでいる光景を見て
トンボを捕まえようと追いかけたが、夕焼け空に飛んでいってしまった。