未亡人
曇り空の下、午後から少し仕事のお手伝いをして8時帰宅。
知人の未亡人に久しぶりにお会いし、お話を聞き、同情をする。

「私もガンで手術をしたけれど5年前に主人に死なれ、寂しい!」
「どんな主人でも、生きていて欲しかった!」

愚痴をこぼしていたお話しを聞いた時、私ははっとした。
遺族年金で生活はできるが、伴侶が亡くなって本当に寂しいと

何度も語っていた姿は、暗く沈んだ顔をしていた。
「奥様、頑張って下さいね!」私には、それ以上の言葉が出なかった。

私は、自由奔放な伴侶でも、元気でいてくれるだけで幸せかと
自分に問いかけた。

夜、車で迎えに来てくれた主人の横顔を見て、
この人が例え、何時、旅行に行ってしまおうとも

必ず帰ってくるのだから、元気で居てくれるだけで感謝をしなければと
自分に言い聞かせた。

もっと主人を大切にしなければと思いながら、優しい言葉が出てこない。
万が一、主人が亡くなったら、次女とは暮していけない。

主人が居るからこそ、希望が持て、楽しい趣味も続けられ、
生活できる幸せを感じた一日だった。

私は、照れ屋で主人に優しい言葉がかけられない、でも、
黙々と動いていたら、「悪いなあ!」と言ってくれた。

この短い言葉だけで十分だった。未亡人にはなりたくない。