2008年01月の記事


「亜米利加」
油絵の表面を
水彩絵の具で
塗りかえようとする
亜米利加

弾き返され
ままならぬ
まだら模様を描く

水墨画の上には
極彩色が滲んだ

亜米利加の色は
アーミー模様
混沌と擬態の
二重映し
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「日常」
うそくさい
コトバを並べ立て
こんなもんだと
投げやりな日常

芸術とは
万人には理解できぬ
そんな高飛車な
批評も
どっちでもよくなるような
日常

忘れていたよ
青い空の
むこうを
そんな日常
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「雪」
会話の
途切れを
埋めるように


重ねあう
言の葉に
白の息吹
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「ただこの空に」
ただこの空に
問うてみるのは
轟音にひき裂かれた
自由と尊厳の
行く先を
この空に
炸裂する爆音は
何の兆候なのだと
答え
返らずとも
問うてみる

ただこの空に下に
安寧と暮らす
一井の民として
訊ねてみる
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初春を寿ぐ
あたり触ることなく夜が明けた
空の色が変わるわけでもなく
地面から酒が湧いてくるわけでもない

可もなく不可もなく夜が明けたが
時代はそうもいかないようだ
反してみれば、
時代とはそういうものなのだろうか

時代を言の葉に置き換えて
つれづれに書き置くのも
世の慣わしとする

今年もまた
拙文 お目汚しのお許しあれ
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