「夏のしっぽ」
ずるずると引きずっている
ライナスの毛布のように
夏がしっぽを出す
ツクツクホウシの声がじゃれる
夏は下界を見下ろして
すべての影が
長く伸びていくのを見送っている
風がそっと夏の背中を押しやる
夏がくるりと
しっぽをひっこめると
秋が安心したように横たわる
雲はイワシ雲