「日常の変貌」
――――群馬県立近代美術館における展示にて

日常の片鱗は吐き出された汚物として
美意識を否定しながら存在
芸術が狂気との境界線だとしたら
そこにあるものは確かに芸術なのだろう

おお、生と死の狭間にある日常よ
それすら、崇め奉られる額縁の中に
収められてしまうのだ
若き芸術家たちの熱情は
愚かなる偏移として二重螺旋を描く

「そそ、うんこもDNAも螺旋状じゃん」

莫迦莫迦しくなるほどの同一性を
見て見ぬフリをする自称常識者たちを
侮蔑しながら
日常の表裏を剥ぎ取っていく彼ら
残されたものは偽であるのか
はたまた真なのか

咥えて放さぬ狂気は
日常の隙間に巣食っている