2001 09/28 20:56
Category : 物語
末期のベッドの上で
笑いながら死んでいった
農夫がいた
排泄もままならぬのに
毎日が
「絶好調!」と答え
「どちらの耳が聞こえないんでしたっけ」
という医者の質問に
「両方」と、とぼけてみせ
末期の症状の苦しみから逃れるために
打たれた注射の眠りから、目覚め
「わ、夢見だじゃ。
孫の車さ、のへでもらって、
ロサンゼルスさ 行ってきたおん」
うれしそうに語っていた、と
戦地へ出兵したことのある彼から
ただの一度も、
戦争の悲惨さを聞いたことはなかった。
彼は、大地を耕し、りんごの木と生活し、
死ぬ直前まで農夫だった
笑いながら死んでいった
農夫がいた
排泄もままならぬのに
毎日が
「絶好調!」と答え
「どちらの耳が聞こえないんでしたっけ」
という医者の質問に
「両方」と、とぼけてみせ
末期の症状の苦しみから逃れるために
打たれた注射の眠りから、目覚め
「わ、夢見だじゃ。
孫の車さ、のへでもらって、
ロサンゼルスさ 行ってきたおん」
うれしそうに語っていた、と
戦地へ出兵したことのある彼から
ただの一度も、
戦争の悲惨さを聞いたことはなかった。
彼は、大地を耕し、りんごの木と生活し、
死ぬ直前まで農夫だった