新たな脅威
帝京大学医学部付属病院が、昨年8月以降、

複数の抗生物質が効かない多剤耐性の細菌「アシネトバクター」による

院内感染が発生し、がんなどで入院していた46人が感染し

このうち27人が死亡していると発表しました。

アシネトバクター(Acinetobacter)は、

土壌や水の中によく見られる細菌で、少なくとも25%の健康な人が

アシネトバクター属の細菌を皮膚に保持していて

アシネトバクター-バウマニ種による感染が約80%を占めています。

アシネトバクターは病院内にも存在して、

ときとして、院内感染、日和見(ひよりみ)感染を起こすことがあります。

日和見感染とは、体力・免疫力に問題のない人では

病気を起こすことがほとんどないような微生物が、

体力・免疫力の弱まった人に感染して病気を起こすような場合を言い、

入院患者には、体力・免疫力の弱まった人が多いので、

院内感染では日和見(ひよりみ)感染が多いのです。

体力・免疫力の弱まった人での感染では、

致死率が40-64%と高くなっています。

問題なのは、治療として通常使われる抗生物質が効かない(多剤耐性)の

アシネトバクター菌が発生しているということです。


そんな中、今日のニュースでは、

スーパー耐性菌(新型多剤耐性菌)が日本へ上陸したと報道されていました。


インドから帰国し独協医科大病院に入院していた患者から、

ほとんどの抗菌剤が効かない新たな耐性菌(スーパー耐性菌)が

国内で初めて検出されていたことが判明しました。

この患者から検出された多剤耐性大腸菌は、

インドやパキスタンから欧米などに広がっていた

「NDM-1」と呼ばれる遺伝子を持つ耐性菌で、

WHOが先月、院内感染の予防と感染状況の監視を呼びかけていたものです。

NDM-1は抗菌剤を分解する遺伝子で、

大腸菌などがこの遺伝子を獲得して耐性を持ちました。

免疫力が低下している入院患者の場合では、

細菌が全身に広がり、敗血症で死亡する恐れもあるそうです。

帝京大病院で発生したアシネトバクター菌は

免疫が低下した入院患者の間で感染が拡大するのに対して

大腸菌などは日常生活でも広く存在するため、

今回のスーパー耐性菌は健康な人へ広がることが懸念されます。


SARS、新型インフルエンザに続き、また新たな恐怖が襲ってきました。

医学の進歩に負けない新しい病原菌との戦いに終わりはないのでしょうね。

編集 gonch : 自分だけは大丈夫とか、どうして自分だけなどと考える人が多いです。 手洗いもマスクも自分の為と思っている人は、いくら説明しても他人の為にしているとは思ってくれません。>orfe様
編集 orfe : >自分たちを汚い物扱いしていると怒る患者・・・ 何たる無知!!自分たちが如何に菌に弱い状態であるかも知らぬとは・・・(呆) 医師は何を指導しておるのか?!
編集 gonch : 細菌の突然変異や進化は本当に怖いでが、それを発見・研究して、新薬を開発していく人間の能力は本当に凄いと思います。 でも、新しい薬が新しい菌を生みだしているようで怖いです。>テラ様
編集 gonch : このイタチごっこは永遠なのかもしれません。 感染しない身体作りが一番なのかも・・・。>ペン様
編集 gonch : 実際に身近に感染者が出ると大騒ぎになりますが、予防となるといいかげんな人が多いです。 媒体にならないようにと手洗いや手袋、予防着を励行すると、自分たちを汚い物扱いしていると怒る患者さんも少なくありません。 >orfe様
編集 gonch : 怖いと言いながら他人事のように思っている人が多いことが、もっと怖いですね。 >yama様
編集 テラ : インフルエンザにしても 大腸菌にしても どんどん強力に進化をつづけていますね 新しい薬が出来ると それに打ち勝つ菌が出現 自然とは何とも凄い力を持ち合わせているのかと驚くばかりです 
編集 ペン : 病と薬は追いかけっこなんでしょうね。菌だって死活問題なのでしょうから必死で進化しているのかも知れません。
編集 orfe : 医師の患者への指導が最も重要でしょうがそれにも限界があるでしょう。特に抗がん剤治療を受ける場合、患者間のコミュニケーションから互いに清潔環境への意識を高めあうことが重要です。好中球値が低い状態で冷奴の誘惑に勝てずに逝った人もいますからね。
編集 yama0008 : 本当に大変なことですね