「ある商店」
<<インド>>--バラナシ--


梯子など様々な資材を売るこの商店は、一体何を商売にしているのだろうか。

煌びやかな布なども展示されていて、何を売っているのかちょっと判断が付かないだろう。

実はこの光景を撮影する前に、私は別の光景を事前に見ているので、それを思い出し、ハッと気付いたのであった。

その光景とは、死者を梯子に載せその上に綺麗な布を被せて、数人でその梯子を担いで、ガンジス河まで運んで行く光景であった。

その後川べりにある露店の共同火葬場で梯子ごと死者を火葬に附し、その灰をガンジス河に撒くのである。


そのすぐ下流では、大勢の男女が沐浴をし、聖なるガンジス河の水をペットボトルに入れて家に持ち帰るのである。

強い信仰心がその行為を可能にさせるのであろうが、我々にはちょっと考えられない光景であった。

だからこの商店は、葬儀用資材を売る葬儀社なのであり、この店の前で無邪気に遊ぶ子供たちの姿が印象的であった。