「ワン公も一役」
<<日本>>--川越--


店の窓から顔を出して、客に愛想を振り撒くワン公。

蔵造りの街の本通りは、人並みでごった返しているので、勝手知ったる川越の街の裏通りを、用事をたすために目的地に向かって歩いていた。

と、いつもは窓が閉まっている家の雨戸が開放されていて、そこのお嬢さんらしき女性が店を出していた。

恐らく、彼女が創作したアイスなどを、窓越しに売っているのだと思われた。

傑作なのは、この家のペットと思しきブル公が、おとなしく彼女の脇で、一役買ってお客の関心を集めていた事である。

お客さん達は珍しがって、アイスを買う傍ら、ワン公にカメラを向けたり、一緒に記念写真を撮ったりしていた。